食品中のビタミンDには、きのこ等の植物性食品に含まれるビタミンD2（カルシフェロール）と粉ミルク・精肉・たまご・魚等の動物性食品に含まれるビタミンD3（コレカルシフェロール）があります。また、より活性の高い成分として、代謝物の25-ヒドロキシビタミンD3や1α,25-ジヒドロキシビタミンD3があります。
食品中のビタミンD含有量は100gあたり数mgと微量で、夾雑物との分離が困難なことから、分析の前処理は、脂質を除くために加水分解をし、溶媒抽出を行います。その後、テクニカルノートNo33でご紹介したように得られた抽出液を分取LCで濃縮・精製し、次にHPLCで分析する２段階に分けた方法をとるのが一般的です。 今回、Inertsil Diolを用いたサイズ排除クロマトグラフィー（SEC）を主とする分離にて溶媒抽出後のサンプルを精製し、ハートカット法により分析カラムへ直接導入することで、LC分取で濃縮・精製せずに１段階で分析ができましたのでご報告いたします。