今回は、C30アルキル鎖をシリカゲルに化学結合したInertSustain C30 と同カラムシリーズのC18などとの保持と選択性の違いについて同じ分析条件で溶出挙動を比較しました。本分析では、疎水性が強いカラムほどブチルベンゼン（4）に対してアミルベンゼン（6）が遅れて溶出し、立体選択性が高いカラムほどo-ターフェニル（5）に対してトリフェニレン（7）が遅れて溶出することが知られています。
InertSustain C30は、InertSustain C18とほぼ同等の分析時間であることがわかります。これは、母体のシリカゲルの表面積がInertSustain C30の方が小さいために、トリアコンチル基（C30）の疎水性がオクタデシル基(C18)よりも高いものの、本条件では保持力が同等であるためです。 また、InertSustain C30では、200 m2/gという小さな表面積に対して18.5%もの炭素が結合しているために、立体選択性が高く、異性体の分離にも利用できます。InertSustain C30は、C18で分離が難しい場合、同じ分析条件で分離改善が期待できるカラムのひとつです。