誘導体化試薬の使用例
Ⅱ章-3 エステル化剤-1
多くの簡単な構造のモノカルボン酸は揮発性があり、ガスクロマトグラフィーで直接分離することも可能ですが、テーリングを起こしたり、ゴーストピークが現れたりすることがあります。 しかしエステル化をすることによって揮発性が増し極性が小さくなるので、分析温度を250ºC以下の緩やかな条件に設定できること、もとの化合物よりもシャープで分離の良いクロマトグラムが得られるなどの利点があり、様々なエステル化剤が用いられています。
ジアゾメタン発生器の使用法
N-Methyl-N-nitro-N-nitrosoguanidine 133mg(1mmol)を、熱の発生を防ぐために水 0.5mLとともに内管に入れ(試薬は水に溶けません)、外管には約3mLのエーテルを入れて組み立てます。エーテル部分を氷浴に浸し、5N水酸化ナトリウムを0.6mL上部のセプタム部から静かに注入します(針は23ゲージのように細いものを使用)。瞬時に黄色のジアゾメタンが発生し、内管の上部に設けられた穴から出て、外管のエーテルに捕集されます。捕集率は時間に依存しており、最大で理論値の60%が45分で捕集されます。