ガスクロマトグラフィー(GC)の基礎
Ⅰ章-1 クロマトグラフィーの分類
クロマトグラフィー(Chromatography)とは、試料中の成分を固定相と移動相との相互作用の差によって分離する手法のことで、20世紀初頭に植物の色素を分離したのが始まりです。
数種類の成分からなる混合物を、各成分の性質の差を利用して分離させます。
クロマトグラフィーの中でも、移動相に気体を用いる方法をガスクロマトグラフィー、液体を用いる方法を液体クロマトグラフィーといいます。
ガスクロマトグラフ(GC、ガスクロ)
移動相に用いる気体を「キャリヤーガス」と呼びます。
キャリヤーガスによって「カラム*」へ運ばれた試料は、固定相(充填剤または液相)との相互作用(吸着・分配)によって分離され、検出器へ運ばれ検出・測定を行います。
分析対象は気体または熱を加えると気化する成分となります。
*Ⅰ章-3に詳細記載
高速液体クロマトグラフ(HPLC、液クロ)
移動相に液体を用います。
移動相によってカラムへ運ばれた試料は、固定相の相互作用(吸着・分配・イオン交換・サイズ排除など)によって分離され、検出器へ運ばれ検出・測定を行います。
分析対象は液体の移動相へ溶解する成分となります。
ガスクロマトグラフィーで分析するための条件として、試料成分はキャリヤーガス中で移動可能なものでなければなりません。移動可能な成分とは、気体そのものか、温度をかけることによって揮発して気体になる可能性がある成分のことを指します。
以下は、ガスクロマトグラフで得られた分析結果の例(クロマトグラム)です。
横軸には試料注入後の時間経過、縦軸には検出器から得られた信号強度が表示されます。
以下に基本的な用語の説明を記載します。
ピーク :成分が検出されたときに得られるクロマトグラム上の山
保持時間 :試料注入開始からピークが頂点に達するまでの時間
ベースライン :ピークが検出されていない水平な部分
ピーク高さ :ベースラインからピーク頂点までの高さ
クロマトグラフィー :分離手法
クロマトグラフ : クロマトグラフィーを用いた分析装置
クロマトグラム : クロマトグラフィーで得られたグラフ